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とるにたらない日々            *写真および文章の無断転載はご遠慮ください*
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昨日の日記で書きかけた、帰国をいやがる息子のこと。

「ねぇ、ママはアメリカに引っ越して来た時、何が一番つらかった?」
と訊かれて、
「ああ、やっぱりなぁ」
と思うのです。






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私が渡米した時に一番つらかったのは、友達に会えなくなったことと仕事を失ったことでした。


仕事はインカムという意味もあるけど、それ以上にやはりやりがいでしたから。
『日々のタスク』という意味では、小さい子供のいる専業主婦だってやらなくちゃならないことはたくさんあるし、どこに住んでも母親としての責任の重さは変わらないと思う。
でも、自分が好きで志して、それなりに努力もして得て、ある程度認められてもらっていた仕事は、接点のないフィールドの人からは一笑に付すものだったかもしれないけど、私個人にとっては子供と同じぐらい、大切にしたいものだったよ。

友達は、私にはいわゆる『ママ友』っていうのがほとんどいなくて……
それなりにご近所や子供の幼稚園関係で仲の良い人はいたけど、子供を介して知り合った『私の友達』と呼べる人は、たぶん1人か2人ぐらいだったんだよね。
でも、仕事を介して知り合った同年代の同業者(会社員ではないので同僚とは呼ばない)や、趣味でやってたホームページ(当時は携帯電話もなく、パソコン通信からネットになったばかりの頃で人口も少なかった)で知り合った友達、またネットがきっかけで始めた音楽活動で、よい友達がたくさんいたのです。
もちろん今でもkeep in touchしてますけど……
渡米するまで毎週のようにあったバンドの練習や、セッションもなくなってしまって、本当に死んだような渡米当初でした(ひとりぽっちで防音ブースにこもって、あてもなく管楽器の練習する虚しさってわかります!?)。

それでも新婚or会話があって仲の良い夫婦だったらまだ救われたんでしょうけど、うちの場合はもう、渡米の何年も前から悶着にも疲れ会話はゼロ、理解不能、夫は長らく単身赴任でしたからwww
(もう笑うしかないw)


……なんて、自分のことを書いてしまったけど……
渡米当時のことを思い出すと、今でも涙が出そうになるし、後悔してることもたくさんある。

でもひとつ学んだことは、


今の生活が充実していたら環境の変化は望まない。

また今の生活を充実させられないなら、

住む場所が変わったからといって大して変わらない



ってことだよ。
だから、たまに
「海外生活に憧れてますぅ。いろいろ教えてくださーい(はぁと)」
なんてコメントやメールをもらうとめっちゃ腹立つんだわ(笑)

(以下は余談w)
だって、自分が生まれ育って親兄弟もいる日本で、仕事や友達関係や趣味も充実してたら、海外で暮らしたいなんて普通は思わないでしょ?
いろいろ甘えられる地元で充実した生活できない人が、言葉も通じない、人種差別もある海外で充実した人生なんてそうそう送れないよ。
いや、ちゃんと「自分がこれを達成するためには海外でなければ!」っていう目標のある人だったら、夫の転勤で仕方なく海外引っ越しした見ず知らずの人間に、「憧れてますぅ教えてくださぁい」メールは送らんでしょう、フツウ。





本題に戻るけど……

昨日
「オイラが日本に帰りたくない理由は、自分の日本語が不安だからじゃなくて」
と泣いていた息子の本当の理由は、


「友達と会えなくなるのがつらいから」



………だよねぇ。
めっちゃわかるわ。
雑草のような私でさえあんなにつらかったんだから、優しくて友情にも篤い彼の場合はいかほどかと。

4歳で渡米したので日本では幼稚園などの経験がなかった息子は、アメリカに来て初めて『家庭以外の自分の世界』を持ったのでした。
だから日本には『帰る』という感覚じゃないんだよね。

4歳からずっと、中2になるまでカリフォルニアでは、幼馴染のような友達がたくさんいました。
だからイリノイに引っ越す時にも
「もう死にたい」
なんて言って、毎日のように泣いてたっけ。

でもほら、今はネットがあるから、こっちに来てからもカリフォルニアのお友達とは、毎日スカイプしながらネトゲして遊んでいるので、だいぶ精神的に落ち着いてきました。
去年からは、今の学校で仲良くなった友達と一緒に陸上部に入って、2年目の今年はそれなりに部活の友達もできて上手くやってるようですし。


……そんな矢先に帰国。
そりゃ泣きたくなるよね。

しかも息子の場合、カリフォルニアでもここイリノイでも、仲良くしてる友達のほとんどが日本人ではないんです。
だから友達同士の会話もスカイプもゲームも全部英語。
そもそも話題が日本の高校生の話題とは違うので、ESLクラスがあって日本人の多い今の高校でも、日本人とはほとんど話さないそうな。
「言葉はわかるけど、話がわからない」
って。
上手いこと言うなぁ。


友達と別れるだけでもつらいのに、興味のない日本語の勉強もしなくてはならないなんて。



でもね、酷なようだけど、息子に言ったんです。
「たとえずっと同じ土地で暮らしてたとしても、学生の頃、特に中学高校の友達とは、大人になったら疎遠になるものだよ」って。
それは決して友達ではなくなるって意味じゃなくて、みんなそれぞれの道、それぞれの世界に出て行ったら、その時その時の出会いや人間関係があるってこと。
だから日本に行ったら行ったで、キミにも新しい出会いがあるし、ニコニコしてたら自然に友達ができるものだよ。
アメリカと違って日本は、子供でも自由に外出できるから、学校だけじゃなく趣味やバイトでも出会いがあるし。
それに、大人になってなかなか会えなくなっても、高校や大学時代の友達とは何年ブランクがあってもずっと友達だから……と。



………私もそう思わないとやってらんないわね(^^;




日本ではなにかと
「かっこいい!」
「うらやましい!」
と言われがちな帰国子女ですが、滞在国や滞在期間、年齢によってもいろんな事情や苦労があるんですよ。
『結果』だけを見てうらやましがられても、なんだかなぁってイラッとくるわ(笑)

特に読み書き含めた本当のバイリンガルの子は、めちゃくちゃ努力してると思うよ。
うちの息子は英語はネイティブレベルだけど、日本語は日本語ネイティブの年齢相応ではないのでバイリンガルとは呼べないし、「まぁこの子はバイリンガルかな」と思えるうちの娘でさえ、本人曰く「話すのは日本語の方が楽だけど、レポートなどの読み書きは英語の方が得意」だそうで。

まぁ、海外生活も長くなるといろいろあるよね。
自分が慣れたり諦めたりして落ち着いてきたぶん、その国にアジャストして育った子供たちは「どうすりゃいいのさ」だよね。
いっそもうちょっと帰国が先送りされて、子供たちが大人になってからだったら、それぞれの道を選べて円満だったのかもしれないけど。








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無題
はじめまして。波平(女ですが)と申します。読んでいて、胸が少し締めつけられる&私もしっかりしなきゃ、という気持ちを強く感じました。
私は、なんの覚悟もないまま駐在妻として海外に出て、今年で9年目(2カ国目)です。当初は仕事を失った辛さに苦しみましたが、子供が生まれてからはやはり子供のことが優先になりました。
そして子供が成長するに従って考えることも多くなってきましたが、現在は正に子供と一緒に悩み成長していく毎日を送っています。
息子は7歳になります。3ヶ月後にはシカゴに引っ越す予定です。小さい子供なりにも友達との別れなどいろいろと感じることもあるようです。
いずれやって来る思春期を想像すると、そちらの息子さんの気持ちが人ごととは思えず…。
今日の記事があまりにも自分の気持ちにリンクしていたのでコメントさせていただきました。
たまに覗かせてもらっていますので、今後も綺麗な写真とともに楽しみにしています。
波平 2013/03/17(Sun)18:10:39 編集
>波平さん
はじめまして^^
コメントありがとうございます♪
こんな後ろ向き全開なブログを読んで&共感していただけてとても嬉しいです。


帰国が決まってからのここ半年ほど、『今だから言える本音』的な愚痴(?)を開き直って書くようになってから、波平さんのように
「私もです」
とおっしゃってくださるコメントを複数の方からいただくようになりました。

以前はどちらかというと、『がむしゃらに勉強する中年女子大生』なブログを前面に出してる場所で、駐在員妻としてのダークな気持ちにはあまり触れないようにしてきたんです。
その頃はその頃で、ブログを書くことが自分の勉強の励みにもなったし、やはり勉強に頑張ってる主婦orママさん大学生、海外で頑張る日本人の方との交流もできてありがたく感じておりました。

しかし実際は、夫の海外転勤に帯同することで(=自分の仕事のためではなく)、自分の仕事や日本の家族、友人と離れる喪失感や、言葉や文化の違う国での自分自身への無力感や劣等感、子育てに対する不安などで苦しんでいる方は、とても多いんじゃないでしょうか。
かつて自分がそうだったように、海外駐在になって1〜2年目は苦悩もたくさんあるけど、それ以上に日々の生活に慣れることに必死で、苦しいとかつらいとか声に出せないまま(ブログなどにも書けないまま)、ウケを狙って海外らしい写真をアップしたり買い物した物を報告したり。
でもそんなことで喪失感や孤独感、劣等感は解消できてるわけではないので、苦しさは澱のように自分の中に沈殿していってるんですよね。
普段は「忙しいから」と目を背けているだけで。


波平さんも長いんですね。
頑張ってますね^^
子育ては大変な面も多いけれど、自分も精神的に救われる面はたくさんあると思います。
外国人として海外で成長すること、また親の転勤で転々とすること、国籍のある国が外国に感じられてしまうこと、などなど、子供が大人に近づくにつれ、親子共々悩みは尽きないのは仕方ないかもしれませんね。
また子供の反抗期はどこも大変そう(^^;
海外で育った子供の価値観や主張と、日本で生まれ育った私たちの価値観と常識が違いますからね。
うちなんかもう上の子は18になったのに、いまだにちょっとしたことで内戦勃発(笑)
だけど海外で育った子供たちは、駐妻の苦労もじつはちゃんと見ていてくれるので、高校生ぐらいになると助けられたり慰められることのほうが多いかも。
……私が情けないからかな(^^;

息子さん、可愛い時期ですね〜。
女の子は付かず離れずケンカしながらずっと距離感変わらない感じですが、男の子はある日突然離れてしまう印象です(もちろん個人差はあるんでしょうけど)。
アメリカの小学校や日本語補習校では、学校関係の母親の出番がものすごく多くてしんどいですが、中学生になるとぱったりとなくなってしまうので、今になって思うとちょっと懐かしかったりもします^^
お子さんがお友達と離れることも、「離れてもずっと友達だよ」と言ってあげることが、うちの息子の場合は一番力になってあげられた言葉のような気がします。

シカゴ引っ越し、ちょうど私と入れ替わりぐらいかしら。
冬寒くて夏は蒸し暑い土地ですが、四季がはっきりしてるし、人々が優しいので私は結構好きでした。
日本人も、newcomerよりも駐在長い人、海外数ヵ所目という人が多い印象です。
波平さんとお子さんが、シカゴでも楽しみを見つけられることをお祈りしています^^

長々とお返事、ごめんなさい(^^;

【2013/03/19 15:51】
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profile
name : ゆう

住所:イリノイ州シカゴ郊外
2001年8月カリフォルニア州オレンジカウンティに渡米

2010年7月現住所に転居
出身:東京の下町
年齢:高1と高3の子供がいるようなお年頃
職業:主婦+大学生(休学中)

専攻:
Irvine Valley Collegeの
Computer Information Management; Desktop Publishingで
AS Degree(理系準学士)を修得&卒業。
現在はHarper Collegeの
Computer Information Systems; Web Developmentで
Certificateコースを休学中。

好き:
本、書店巡り、読書、筒井康隆、島田荘司、
綾辻行人、伊坂幸太郎、有川浩、文章書き、
洋裁、Mac、サイト作り、ジャズ、ビール、
DTP、ウェッブデザイン、電子書籍、
バーボン、アドベンチャー&ノベル系ゲーム、
スキー、車&オートバイの運転、カメラ

嫌い:
英語、人種差別、Gで始まる黒いアイツ

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