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『駐在員の妻』と聞くと、みなさん、どんな女性を思い浮かべますか?
毎日どんな暮らしをしていると想像しますか?


今日たまたま偶然、謎の生き物「駐在妻」というタイトルのブログ記事に辿り着きました。
書いているのは、アメリカの大学で数学を教えてらっしゃる方。

さすがに理系で高学歴の方、知性を感じさせる冷静で無駄のない文章は見事です。
「ふむふむ、なるほどなぁ」
と読んでいたのですが、読後は悲しくなりました。

冷静に見える文章でも、やはり行間には(というか、モロにw)、駐在員妻に対する否定的、批判的な感情が見え隠れしてます。

日本で専業主婦をやっていても、あからさまに非難されることはないのに、どうして夫が駐在員の専業主婦には、みなさん批判的なんでしょうね。
不思議で仕方ないです。


拍手


私は2001年8月に、2人の子供たちを連れて南カリフォルニアに引っ越しました。
正確に言うと、その1年ほど前から夫がアトランタに単身赴任をしていたので、ここからしてちょっと変わり種かもしれません。

当時の私は、かれこれ15年ほど続けていたフリーランスの編集便利屋さん(必要に応じて取材執筆から入稿作業、レイアウト、校正、版下修正などw)を生業としていて、2歳と4歳という幼い子供たちを家で面倒みながら、できる範囲で仕事を続けていました。
夫はもともと家事が苦手な人だし家での会話も嫌いな人だったので、海外単身赴任でも私が困る事もなかったため、かたくなに渡米を拒否していたのです。

けれど、夫の希望もあり、何よりも夫の会社から「そろそろ奥さんたちもアメリカ行ってくれないと困るよ」とのお達しが。
どこの会社でもある習慣なのかどうかは知りませんが、海外単身赴任だと、海外で働く社員の口座と、日本に残した家族の口座には別々に給料が支払われ、その合計金額は、正直なところ国内勤務時の倍なんです。
駐在員よりも高いかも。
(バブル時の某自動車メーカーでは、家族で海外駐在していても、毎月のお給料は赴任先口座、年2回のボーナスは日本の口座に振り込まれ、家賃と車代は100%会社持ちなので、赴任期間を終えて帰国するとみなさん家を買うのが普通だったそうです)

我が家は小田急線某駅の目の前にマイマンションを購入したばかりで、子供たちは毎週末じいちゃんばあちゃんに会えるし、私も子供に手がかからなくなってきてぼちぼち仕事を増やしていこうか、という時でした。

けれど、当時パパっ子だった娘が毎晩泣いていたことと、一時帰国するたびに夫に
「アメリカ行ったら綺麗なプールで毎日泳げるぞー。新しい自転車も買わなきゃな!」
と言いくるめられた子供たちがすっかりその気になって、
「アメリカ行く〜!絶対行く〜!」
と行く気満々になってしまったことが渡米の理由です。

前述のブログでは、

別に奴隷船に乗せられてアメリカに来た訳でもあるまい。


との意見がありますが、似たようなもんです。
私は家事と育児のためだけに渡米しました。
さらに言うなら、子供を人質に取られたようなもんです。
これはもう、幼い子を持つ母親にとって、

夫が海外勤務になったので、自らそれに同伴して海外に来る
という意思決定をしたのではないのだろうか?


などという、冷静な判断ができるシロモノではありません。
実際、いやいや夫の駐在についてきた奥さん(=日本では職業持ち)の方からは、同様の苦しみを聞いてきました。


駐在員の奥さんは、旦那さんの労働ビザの家族ビザ、という形になります。
今は駐妻さんも働けるようですが、私が渡米した頃には法律的に働けないと聞いていたので、私は自分のビザを取って渡米しました。
長年仕事をしていた出版社さんの計らいで、Iビザ(=報道ビザ)という、ちょっと特種な種類です。
アメリカ国内で収入を得ることはできないけれど、日本の出版社からの依頼でアメリカ国内で仕事をし、その日本の出版社から収入を得るならOKというもの。
実際、
「資料をFedExで送るから、そっちで原稿まとめてメールしてよ」
なんてオファーくださった編集さんもいらしたんですが、これは夫から止められました。
「日本と違って、こっちではたった1セントでも奥さんに収入があると、扶養手当が出なくなるから仕事しないで」
と。

えーーーっ、ビザ、別なのに!?

と一悶着。
でもそこは一応、駐在員妻として手当をもらってるファミリー、どうしようもないです。
私の“社会と関わってる一人の大人”という小さなこだわりも、犬の餌代程度の扶養手当と天秤にかけたら、夫にはそれ以上の価値は認識できなかったのですね。




……こんなすったもんだがあった9年前。
渡米する直前に、同じマンション内に住んでいた、私がお友達と思っていた人たちに
「帰って来たら子供たちはバイリンガルね!うらやましい!」
「アメリカならコーチが安くていいわね!」
などと言われたことが今でも忘れられず、一時帰国してもあのマンションを訪れることはありません。
(「何のコーチですか?スポーツはやらないんですけど…」と聞き返したら大笑いされました)





その後、紆余曲折ありながら、私は渡米した年の秋から今もまだずっと学生やってます。
ビザ的な問題があるので、あまりおおっぴらにはしないできましたが(でも違法ではありません)、シカゴへの引っ越し作業が始まる1年前までは、一応毎月パート主婦以上の収入を保ってきたので、自分の学費やPCなどは自分で払ってます。

加えて、夫はもうとっくの昔に駐在員ではなく、日系企業の現地雇用者なので、みなさんが羨ましがるようなお手当はいただいてません。
同企業で働くアメリカ人と同じお給料。
ゴールデンウィークもなければボーナスもありません。
数年かけてなんとかグリーンカードは取ったので、アメリカ人と同じ金額で子供たちは大学にも通えるけれど、市民権は取ってないし取るつもりもないので、選挙権もないし、有事には後回しにされるでしょう(実際、9-11の時にはシチズン持ってない人の捜索は後回しだったと聞きました)。



夫は1年ほど前にシカゴに転勤になりましたが、これはもう私の人生最大の我侭で、私が今のカレッジを卒業するまで、子供たちとカリフォルニアで暮らさせてもらってます。

高卒→編集プロダクションの下積み→フリーランス(子供ができるまでは夫より収入ありました)

と、がむしゃらにやってきた私から仕事を奪ったら、何も残らないじゃないですか。
だったら長年の学歴コンプレックスを埋めるべく、習い事よりも安いコミュニティカレッジ(卒業すれば日本の短大と同じぐらい)へ通うことぐらい、奴隷じゃないんだから許されていいと思うんだけど………贅沢ですか?





私などはまさに

「裕福でもないのに奥さんは教養や意欲がなくて働けない。可愛そうな家庭。」
という感じで捉えられます。


の典型です。

本当のところは夫は現地雇用なので駐在ではないんですが、端から見たら日系企業のアメリカ支社で働く日本人=駐在員。
そして私は、習い事に興じる専業主婦。
学歴は高卒だし英語しゃべれないし、アメリカで面接受けて仕事するとか勘弁して欲しいクズみたいな女で、うちは『可哀想な家庭』でしかないのかもしれません。
(日本では、英語力の百倍ぐらい日本語力が必要だったんだけどね!すまんね、英語できなくて!)




【追記】
いろいろ調べましたら、日本企業社員の海外赴任に家族が帯同する場合、奥さんの就労はビザ的にOKだとしても、夫の会社が許さないことが多いのだそうです。
うーん、思い起こしてみれば、私の周りで働いてる日本人の奥さんといったら、『アメリカ国籍or最初は駐妻で来たけど今はグリーンカード持ち』というパターンがほとんどかも。
(もしくは申告不要な収入かww)

働く意志があっても、自分の意思や人生目標を掲げて主張できないところが、日本人妻の弱さであり優しさあり、忍耐強さであり美徳でもあると思うんですが……いかがなものか。
冒頭で触れたブログを書いた方は、このような日本のサラリーマン家庭の現状を、ちゃんとわかってるのかな??
海外からの視点でいったら、駐在妻よりも縦社会、稟議と捺印必須の日本企業の慣習のほうがよっぽど謎とロマンとミステリに満ち溢れてると思うけどなっ(笑)




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なんだか救われたような
我が家がまさに今この駐在の状態です。
もう大分前のポストだと分かっていてコメントしてしまいました。例のブログはまだ心が弱いのでもう少ししっかりしたら読んでみます。
私も全然日本ではばりばりという感じでもないですが、専門職で仕事にはプライドを持ってしてきました。夫が海外駐在希望だったのはわかっていたし、彼の夢をかなえてあげたい気持ちもあって、帯同しましたが(というか選択肢がそもそもなかった)、例のビザでは働けるけど、会社が許さない・・規定にさんざん夫婦で喧嘩になりました。
そんなの妻の人権無視じゃないか!
納得いかない私と、納得させられない夫。
自己実現のために働いたり、専業主婦したりと仕事が辞められる気楽なものだと夫も思っている節があります。確かにそういう一面も否めませんが・・・
アメリカに来て1年まだ立っていませんが、やはり専業主婦・駐在妻ということになれない&納得がいかない自分がいます。
こちらのブログには大学を検索していてたどり着いたのですが、なんだか勇気がもらえました。
来年からはとりあえず、ESLに通って語学の方をなんとしかしつつ、せっかくなので勉強をできればと思っています。
なのはな URL 2013/09/11(Wed)05:00:01 編集
無題
Twitterでお世話になっているS山です。読ませてもらって泣きそうになりました。そして例のブログは途中で読むのを止めました。あまりにもわたしには酷だったので・・・。
ゆうさんのお気持ちすごくわかります。ほんとうまく言えないのですが。
お子さんがいるのにずっと学校に通い続けること、今はお仕事されているのでしょうか?それなりの稼ぎを出され、ご自分で学費を出している、おこさんのこともされている・・・等々とても素晴らしいと思います。
もうすぐシカゴに行かれるとのことですが、やはりこの決断もすごいなぁと思います。
わたしも子供3人抱えて、自分の仕事をしています。それに加えて夫婦仲は良くなく、ダンナの稼ぎも良くなく(自営業)生活は不安定、去年11月に母親が他界し、色々相まって子供を連れて日本に住むということを視野に入れています。
こう思っているだけで何も結局行動していないので(恥)、ゆうさんの色々と行動されているブログを読んで見習いたいと思いました。
多分思いのたけをブログに書かれたのだと思いますが、これを読んで励みになった人間がいますんで、どうぞがんばって下さい!
S山 T子 URL 2010/06/05(Sat)04:16:56 編集
>S山 T子さん
Twitterではいつもお付き合いくださってありがとうございます。

こちらにまで温かなコメント、すごく嬉しいです。
世界中の誰もが読むことのできるブログという媒体は、決して専門家でない、一般の人たちの目線で身近なことが話題になっているから、読んでいて楽しいのだけれど……
あの意見に関しては、できあがったステレオタイプをただコピーしているようにも思えました。
まるで、アメリカで暮らす日本人家庭のことを知り尽くしているかのような口ぶりだけれど、アメリカ人の目を通して見た駐在妻への印象がほとんどなのですよね。
初めて読んだ時には、自分や他の駐妻さんが乗り越えてきた苦労や努力を笑われているようで哀しくなりましたが、時間を置いて読んでみると、「なんだ、自分の目で確かめたことじゃないじゃん、取材なんかしてないじゃん」と気づいて、どうでもよく思えてきました(笑)

駐妻に限らず、どんな家庭にだってそれぞれのストーリーがあると思うのです。
T子さんも苦労されましたね。
私も駐在2年目に父が他界し、夫婦仲も別居しているから続いているようなものです。
じつは今回のシカゴ引っ越しも、一番心配なのは寒さじゃなくて、同居だったりします(笑)

お互いに頑張りましょうね!
日本人ですもの、いざとなったら日本に帰ればいいんです(^^)
【2010/06/05 15:35】
無題
贅沢だとは思わないし、
許す/許されるということでもない気がします。
そういうのは個人の権利じゃないかと思うのですが・・・。

というか、うまく言えないんですが
どうして(少なくとも)当事者ではないのに
そんな分析にたどりつくのか
そこんところが理解できません。。

ゆうさんがしてきた事について、私は
好意的に考えています。

(すみません、あぁ気持ちが伝わらなかったらどうしよう^^;)
チェリ 2010/06/04(Fri)19:27:33 編集
>チェリさん
ああ、そう言われてみれば、教育を受けることや、幸せになろうとすることは、基本的人権の一部だったかもしれません。

そういった観点からも、駐妻って方向性を間違えると、心身ともに『奴隷』になってしまいそうです。

私の支離滅裂な長文を読んでくれて、コメントくれて本当にありがとうね。
どうしてこんな見ず知らずの人のブログに悲しくさせられなくてはならないのか、と、自分の日記で吐き出してから思い至りました。

ひとくくりに駐妻だとか専業主婦だとかいったって、事情は様々ですものね。
人んちの奥さんのことを、「謎の生き物」と言ってしまうこと自体がどうなんでしょうか、と思えるようになりました。
ほんと、日本であろうと海外であろうといろいろですよ。
それこそ人種や宗教や文化が違えばなおさら、他人にはジャッジできないことなのに、寄せ集めなアメリカに住んで長い人が、どんな気持ちでこのような文章を公表するのか。
不思議です。

『結論→人んちの女房のことなんだから、謎だろうがなんだろうがほっといてくれ!(笑)』

【2010/06/04 20:52】
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profile
name : ゆう

住所:イリノイ州シカゴ郊外
2001年8月カリフォルニア州オレンジカウンティに渡米

2010年7月現住所に転居
出身:東京の下町
年齢:高1と高3の子供がいるようなお年頃
職業:主婦+大学生(休学中)

専攻:
Irvine Valley Collegeの
Computer Information Management; Desktop Publishingで
AS Degree(理系準学士)を修得&卒業。
現在はHarper Collegeの
Computer Information Systems; Web Developmentで
Certificateコースを休学中。

好き:
本、書店巡り、読書、筒井康隆、島田荘司、
綾辻行人、伊坂幸太郎、有川浩、文章書き、
洋裁、Mac、サイト作り、ジャズ、ビール、
DTP、ウェッブデザイン、電子書籍、
バーボン、アドベンチャー&ノベル系ゲーム、
スキー、車&オートバイの運転、カメラ

嫌い:
英語、人種差別、Gで始まる黒いアイツ

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